「点字読書速度の客観化に向けて-点字読書チャートの開発--」のページ

研究代表者:大島 研介(神奈川大学)

実施期間:2013年4月〜2016年3月

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  • 点字読書速度の測定は、習熟や学習の進捗を確認する上で重要な指標ですが、使用する文章の難易度や含まれる点字の構成などにより左右されてしまうことから客観的な評価をすることが難しい指標です。 そこで、われわれは、点字読書速度の客観的指標を開発することを目指し研究をスタートしました。

    研究の目的

    読書に使用する文章が異なると、構成されるマスの複雑さや意味内容が変るため、触読速度を正確に評価し、指導法の効果を客観的に評価することが難しい現状があります。 このことから読書速度を客観的に評価する指標があることで、今までできなかった点字読書速度の分布の把握や、指導法の効果の検証など、エビデンスに基づいた指導や基礎的研究が可能になり、最終的には読書速度の向上につながることが期待できます。

    なお、本研究は、文部科学省科学研究費補助金の助成を受け、2016年3月まで実施しております。

    研究の意図

    点字読書は様々な要因が関連する課題です。例えば、点字のサイズ(点の大きさ、点間)は、ユーザごとに適切なサイズが違う可能性があります。点字のサイズの効果を調べるためには、点字のサイズを何種類か用意し、読書速度を比較することで検討できます。理想としては、同じ文章を様々な点字サイズで比較するのが良いのですが、同じ文章を使うと当然、覚えてしまうこと(記憶)や繰り返しにより予測読みがしやすくなるなど、調べたいこと以外の要因(剰余変数と言います)の影響が含まれてきてしまいます。つまり、客観的な評価ができていないこととなってしまいます。そこで、異なる文章ですが、同程度の難しさの文章を用意することで比較することができます。今回の研究では、この文章の難易度を評価するツールを作成することで、この難易度の問題を解決することが一つの目標となります。