「客観的指標に基づく点字ユーザの試験時間の設定--点字読書チャートの応用--」のページ

研究代表者:大島 研介(横浜商科大学)

実施期間:2016年4月〜2021年3月

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  • 実施期間:2016年4月〜2021年3月研究代表者:大島 研介(横浜商科大学)

    研究目的

     障害者差別解消法が施行され、点字ユーザと学校間の合意形成により、合理的配慮が提供されるようになる。そこで点字ユーザと学校の双方にとって、どのように障害者でない者との比較において同等の機会を設定するか(申し出するか)が重要となる。大学入試などの点字試験では、通常の1.5倍の試験時間で行うなどの配慮が行われてきたが、すべてのユーザに対して一律で時間延長する対応では、個別性のある合理的配慮の際に参考にならない可能性がある。そこで本研究では、客観的かつ柔軟性のある試験時間の設定に資するため、点字読書チャートを応用して、ユーザごとの読書速度に応じた試験時間の設定を行う枠組みの構築を目指す。

     本研究は、文部科学省科学研究費補助金の助成を受け、2021年3月まで実施する。

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    研究の意図

     点字ユーザが大学入試試験、資格取得試験、定期試験などで受験をする場合には、点字による受験が認められることが必要である。

     しかし、墨字での読書速度と比べ、点字での読書速度はかなり遅い。そのため、点字受験が認められたとしても、墨字利用者と同じ試験時間では足りない。このような墨字と点字の読書速度の違いに対し、点字受験の試験時間を2倍にするなどの対処を行うケースもある。しかし、点字ユーザの読書速度の個人差は非常に大きいため、全てのユーザに対して一律で時間を延長する配慮は、有利になる点字ユーザもいれば、十分でない点字ユーザが出てきてしまい、適切な配慮となり得ない可能性がある。

     そこで、本研究ではユーザの読書速度に応じて試験時間の設定することで墨字受験と点字受験との公平性を担保することができると考え、枠組みの構築を目指す。ユーザの読書速度に応じて試験時間を設定することが容易にできるようになれば、点字ユーザは自身にとって必要な試験延長を提案できることに加え、試験実施側にとっても具体的な対応を検討できることから、点字受験の広まりに寄与することが期待できる。

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